popoのブログ

超短編(ショートショート)

Tattoo

今日、俺は3つ目のタトゥーを彫る。

「やめなよ。」

俺の周りには批判的な人が多い。

「親からもらった大事な体」

「プールに行けなくなるよ」

「印象悪いじゃん」

正直に言う。

「ほっといてくれ。」

俺は誰かに何かを言われたくて入れるんじゃない。

親からの?プール?怖い?

そんなのわかってる。

それでも、俺の中で「入れたい」という想いが、

その気持ちを上回っただけの話だ。

もう一度言うが、誰かの為じゃない。

あえて言うなら、俺は単純なバカだ。そう思ってくれ。

今思う気持ち。忘れない為。

その文字を見て、その絵を見て、

俺は奮い立つ。俺は頑張ろうと思えるんだ。

入れるにはそれなりの決心だってある。

消すのだって安易じゃない。

それでも俺は今の気持ちを忘れないための

俺なりの前向きな表現なんだ。

「どんな意味なの」

「お前らしいな」

「かっこいいな」

どうせ何か言うなら、そう言ってくれ。

 

ちなみに今日俺は、虎のタトゥーを入れる。

先日交通事故で亡くなった俺の息子。

名前は大河だ。

俺はこいつとずっと一緒なんだ。