popoのブログ

超短編(ショートショート)

兵士である前に

兵士ジョンが戦場で負傷し、敵陣に捕虜となった。

ジョンは、敵国の兵士たちに拷問を受け、命の危機に瀕していた。

そんなある日、ジョンは、敵国の兵士が、

自分の母親と同じ名前の女性と結婚したことを知った。

ジョンは、敵国の兵士に、自分の母親のことを話し始めた。

自分の母親がどんなに優しい人で、どんなに家族を愛しているかを。

敵国の兵士は、ジョンの話に耳を傾け、次第に同情するようになった。

そして、ある日、敵国の兵士は、ジョンを解放した。

ジョンは、敵国の兵士に感謝し、戦争の無意味さを感じた。

 

「正義とは何か。」人はみな自分にとっての正義は同じじゃない。

自分が押し通せば、相手も押し通す。

「希望とは何か。」希望は失うためのものじゃない。

自分の未来や、家族や友人の未来を不安に思うのは希望じゃない。

 

ジョンは理解と共感の大切さを知った。

戦争で犠牲になる人たちの中には、私たちと同じように、

大切な人を愛し、大切にされている人たちがいるということ。

戦争は、多くの人たちの命を奪い、多くの人たちの人生を狂わせる。

傷つけあうな。

愚かであるな。

我々は同じ世界に生きる。

我々は兵士である前にひとである。

平和を守るために、できることを。