popoのブログ

超短編(ショートショート)

行ってきます!

僕は今日大切な時を迎える。

 

「ボード行こう」

「カラオケ行こう」

「飲み会行こう」

 

どれも行きたかった

 

その気持ちを抑えて

僕は勉強に時間を費やした。

どれだけやっても不安だった。

ここが出題されなかったら、意味がない。

そんな不安にもかられた。

でも出題されるかもしれない。

やるしかなかった。

 

勉強をした自信はある。

それでも受かるとは限らない。

この気持ちは今までにないものだ。

ある日から不安がいっぱいで

勉強が頭に入らなくなった。

その度に「集中だ!集中しろ!」と

自分に言い聞かせた。

ペンを動かすことが

僕の余分な思いを忘れさせてくれた。

 

やるだけやった。

 

やるだけやったんだ。

 

僕は今、リュックを背負い家を出る。

 

待って!と母の声がした。

 

なんて顔してるの。

頑張ってたのをお母さんは知ってるから!

あなたはよく頑張った。

 

もっとリラックスしなさい!

 

パン!と僕の背中を叩いた。

 

その瞬間、自然と笑顔になった。

 

そうだ!やるだけやったんだ!

 

ふぅ。っと深呼吸をする。

 

お母さん!行ってくるね!

 

いってらっしゃい!

今日はあなたの好きなハンバーグ作って待ってるから!

がんばれ!受験生!

 

と最高の笑顔で手を振った。