私は、生まれた時からこの巣箱が私の家だ。
巣箱の中には、たくさんの仲間たちがいる。
女王蜂、働き蜂、そしてオス蜂。
それぞれが役割を持って、協力して生きている。
私に与えられた使命は働き蜂として生きること。
毎日、一生懸命に蜜を集めてくるのが私の仕事だ。
朝早く起きると、仲間たちと一緒に飛び出す。
太陽の光がまぶしい。
「今日はどんな花が咲いているかな?」
近くの畑にやってくると、色とりどりの花が咲き誇っている。
私は、一番甘そうな花を選んで、蜜を吸い始める。
長い舌を花の中に入れて、甘い蜜を味わう。
蜜を吸い終えると、花粉を体に付ける。
花粉は、女王蜂が卵を産むために必要なものだ。
たくさんの蜜と花粉を集めたら、巣箱に帰る。
巣箱に帰ると、集めた蜜を他の働き蜂に渡す。
蜜は、巣の中で巣を作ったり、
幼虫に食べさせたりするために使われる。
私は、自分の仕事が終わると、少し休憩する。
巣箱の中で、仲間たちと羽を休めたり、おしゃべりしたりする。
「この巣も大きくなってきたね。」
こうして、私は毎日、仲間たちと協力して生きている。
私たちの目を通して見た世界は、人間の世界とは全く違う。
私たちは、人間よりもはるかに多くの色を見ることができる。
私たちにとって、花の色は蜜の量を表す重要な情報だ。
私たちは人間よりもはるかに優れた嗅覚を持っている。
私たちは、花から微量の香りを感じ取ることで、
蜜の場所を見つけることができる。
私たちは仲間のために生まれ、
仲間のために役目を終える。
私たちが作る巣が全てなのだ。
それでも充分に幸せだ。
自由に生きれるあなたたちにお願いがある。
どうか私たちのためにも、
一輪の花を、自然を大切にしてほしい。