popoのブログ

超短編(ショートショート)

行方不明

夕暮れの街は、いつもより静かだった。

子供たちの笑い声が聞こえない。

公園のブランコは静まり、野球ボールが転がる音もない。

最初は、どこかへ遊びに行っているのだろうと、

大人たちは安堵していた。

しかし、日が暮れても子供たちは帰ってこなかった。

 

警察は捜索を開始する。

捜索隊は、森や河川、廃墟をくまなく探したが、

子供たちの姿は見つからない。

失踪の報告は日に日に増え、街全体が不安に包まれていく。

 

ある日、新聞記者である「遥」は、奇妙な噂を耳にする。

それは、政府やある組織が、

子供たちを拉致しているというものだった。

遥は、この噂を単なる陰謀論

片付けることができずにいた。

 

遥は、失踪した子供たちの家族に話を聞き始めた。

しかしなかなか共通点は見当たらない。

年齢も、性格も、住んでいる場所もバラバラだった。

ただ一つ共通していたのは、

全員が幸せそうな家族だったということだ。

 

遥は、ある情報提供者を頼って、ある施設へと潜入する。

そこは、厳重に警備された地下施設だった。

そこで、遥は恐ろしい光景を目にする。

それは、無表情な子供たちが、一列に並ばされている様子だった。

子供たちは、まるで人形のように動かされ、実験に使われていた。

 

遥は、この事実を世に広めようと決意する。

しかし、政府や組織は、遥を黙らせようとする。

激しい追跡が始まり、遥は命の危険にさらされる。

 

しかし遥は、なんとか証拠を掴み、

遂にメディアを通じて世に暴露する。

国民の怒りは爆発し、政府は追及される。

子供たちは救出され、家族のもとへ帰っていく。

しかし、心の傷は簡単には癒えない。

 

これは非現実の世界の物語。

だと思ってほしくない。

世界では毎年100万人以上の子どもが行方不明になっている。

その事実を私たちは知る必要がある。