遥は、生徒会で学校改革を進めていた。
古い校則の見直しや、
生徒主体のイベント開催など、
様々なアイデアを提案する。
しかし保守的な先生達からの反対にぶつかる。
「今まで通りでいいだろ」
「先生たちに任せなさい」
「ああ。ダメだ。ダメ」
特に、生徒会選挙のあり方については、
先生達が候補者を限定しようとする動きがあった。
ある日、歴史好きの純が、
遥に古い歴史の本を見せた。
そこには、民主主義がどのようにして生まれ、
どのようにして発展してきたかが書かれていた。
純は、「民主主義は決して完成されたものではなく、常に変化し続けていくものだ」と語る。
遥は、純の話を聞いて、
自分たちの学校がまさに
民主主義の小さな社会だと気づいた。
そして、先生達や生徒たちを巻き込み、
より良い学校を作りたいと決意した。
「みんな!私たちの学校を
私たちの手で作り上げませんか!」
「民主主義にふさわしい国に成長していくのではなく、
民主主義によって健全な国になるのです」
「不当な束縛や抑圧を受けず、
私たちが望む生活を実現しましょう!」
遥は、生徒会で演説を行い、
民主主義の重要性について訴えた。
最初は、冷ややかな反応しか得られなかったが、
少しずつ賛同する生徒が増えていった。
純も、歴史の知識を活かして、
生徒たちに民主主義について語り始めた。
すると先生達も、
生徒たちの熱意に心を動かされ、
「まあ。いいんじゃないか。」
「面白そうだな。」と
少しずつ考えを変えていく。
そして、生徒会選挙は、
全生徒が自由に立候補できる形で
行われることになった。
選挙当日、
生徒たちは熱心に投票を行い、
新しい生徒会長が誕生した。
新しい生徒会長は、
遥や純をはじめとする
生徒たちの意見を尊重し、
より一層学校改革を
進めていくことを約束した。
学校は、今、生徒たちの力で少しずつ変わっている。
民主主義の花が、学校という
小さな社会に咲き始めたのだ。
「民主主義は、
ひとりひとりの手で築かれるもの。
私たちが社会を良くするために、
これからも声を上げ続けていきたい」
遥と純は今日も学校で声をあげている。