かつて「果ての二十日」と呼ばれる日には、
人々は罪を恐れ、静かに過ごしたという。
しかし、その風習は薄れ、多くの人々が
その日をただの1日として過ごしていた。
俺は、古書店で働きながら、古い書物に魅せられていた。
ある日、蔵書整理中に見つけた古文書には、
「果ての二十日」に関する驚くべき記述があった。
それは、単なる忌み日ではなく、
ある周期で繰り返される終末の日であり、
その日に世界の秩序がリセットされると書かれていた。
俺は、古文書の記述を信じ始め、周囲の人々に警告しようとする。
しかし、誰も俺の話を信じようとはしない。
そんな中、12月20日が近づき、俺は街の異変に気づく。
人々の行動がいつもと違う、不穏な空気が漂っている。
そして、12月20日の夜、
街は突如として停電し、人々はパニックに陥る。
俺は、古文書に書かれた通りの出来事が
現実になっていることを確信する。
俺は古文書に、この繰り返される終末を
回避する方法が書かれていないか調べ始めた。
夜中になっても、街は変わらず騒然とし、
人々は不安と恐怖に震えていた。
俺は違う古文書も探して調べた。
しかしどれも「果ての二十日」については書かれていない。
(もうダメかもしれない…)と思って手に取った一冊。
俺はページをめくる度に、興奮してきた。
この本は、過去の「果ての二十日」を生き抜いた人物の日記だったのだ。
そして、そこにはこう書かれていた。
この一年の自分の恥ずる行為をお許しください。
この一年の自分の罪をお許しください。
私は今、この一年を振り返って考えています。
良かったことも、悪かったことも、
そして自分の行いを悔い改めております。
静かに、小さな古屋の中で。
俺は読み終えると、夜中の街で人々に声をかけた。
今日はすぐに、お家に帰ってください。
静かに、ゆっくりと、身を慎み、災いを避けてください。
すれば、この不安な夜も夜が明けます。
しばらくすると、街からは人がいなくなった。
そして迎えた夜明けの時。
空は、今まで見たことのないような美しい輝きを放っていた。
人々は、各々の家から希望に満ちた表情で、新しい朝を迎えた。