雨はますます強くなる。
傘をさしながら歩いているものの、雨は容赦なく私に向けて降り注ぐ。
服はびしょ濡れになり、靴は水浸しになった。 イライラが募るばかり。
雨のなかにいると、「あー!もう!」心の中も混乱してきた。
困惑が私を包み込み、どうしてこんな日に出かけたのかと自問自答するばかり。
どうしてこんな日に出かけなければいけなかったのかと自問自答するばかり。
その時、人の集まる建物が正面に見えてきた。
私はとっさに雨宿りに入る。
傘をたたみ、少し雨を払って中に入る。
建物の中に入ったら、外とは違った静けさを感じた。
ほんの少しの安堵感。
雨の音は遠くに感じられ、静寂が私を包み込む。
ほっと一息つくことができた瞬間だった。
イライラがだんだん消えて、気がほんの少しだけ軽くなったのを感じた。
外は変わらず雨が降り続く。
でも私の心は落ち着き、少し考える余裕すら生まれた。
私が得たのは、自分の心の中で整理する時間。
雨の中にいるときとは違う環境で、自分の感情を整理することができた。
そしてまた外をみる。
「ああこの中をまた歩くのか。」「また濡れるなあ。」
そう思いながら、また少しテンションが下がる。
でも今度は、家を出た時とは違う、「よし行くぞ」という覚悟ができている。
濡れてしまったことでの、開き直りかもしれない。
時にはそんな気持ちも大切だ。と思う余裕すら今はある。
大雨はまだ止む気配がない。
でも、建の中で、私は自分の感情と勇気を持つことができた。
さあ!行くか!
激しさを増した雨の中、私は次のステップへ駆け出した。