『プルルルル』
今日もいつものように電車で通勤。
同じ時間に同じ電車に乗って同じ席に座る。
比較的空いている車両でいつも少し落ち着く瞬間だ。
すると隣に、小さな女の子が座った。
女の子は、まだ幼くて、まだ一人で電車に乗るのは慣れていない様子。
大きなリュックを背負って、少し緊張しているのか、そわそわしている。
「大丈夫?」私は笑顔で問いかけた。
女の子は、小さな声で、「うん。」と答えました。
「大丈夫だよ。わたしも、最初は一人で電車に乗るのが怖かったけど、慣れれば、すぐに大丈夫になるよ。」女の子は、うつむいたまま頷いた。
私は、女の子に話をしながら、電車の窓の外を眺めた。
電車は、都会のビルの間を走っていた。
僅かなビルの間から、太陽の光が差し込んできて、とてもきれいだった。
「見て。太陽がきれいでしょう。」
女の子は、太陽を見て、笑った。
「うん。きれい。」
「今日ね。おばあちゃんの病院行くの」
「ひとりで?えらいねえ。」
女の子は少し落ち着いてきたようだった。
少し汗をかいた女の子の前髪がなんだか清々しい気持ちにさせてくれた。
あっという間に電車が女の子の目的地に着いた。
私は、笑顔で「さあ着いたよ。」と。
女の子は少し急いだ様子で立ち上がり、私に笑顔で手を振って電車を降りていった。
私は、女の子が電車を降りていく姿を見送った。
それから2駅で私もいつもの駅に着いた。
階段を降り、改札を出て、駅の建物から外に出た。
少し空を見上げる。
と同時に私は思った。
「日常生活の中には、こんなにも美しい瞬間があるんだ。」