popoのブログ

超短編(ショートショート)

香りの魔法

朝、目を覚ますと、不思議な香りが漂っていた。

それはまるで花々や森の中にいるような、豊かで魅惑的な香り。

私は、その香りを探すようにベッドから起き歩き出す。

香りの誘いに導かれ窓の方へ。そして私は窓を開ける。

そこには鮮やかな花が咲き誇っていた。その香りが窓から部屋に漂ってきたのだ。

「いつから咲いていたのだろう」

忙しい平日には気付かなかった香り。

私は興奮しながら外に出た。

一歩足を踏み出すと、香りが一層濃くなり、私を包み込んでいく。

まるで自然そのものの魔法が私を引き寄せるかのよう。

するとまた違った香りが現れる。

私は歩を進める。私の五感を刺激している。

ここにも花がたくさん咲いている。私は大きく息を吸う。

それはまるで心を綺麗にし、新たなエネルギーを注入してくれるような不思議な力。

香りの魔法が私を引き込んでいく。

するとまた違った香りが現れる。

私は再び歩を進める。その時、妻の声がした。

「あなた。何やってるの?」

家の中から妻の声と共に香りがする。

私は妻の声よりも香りに誘われ家へと入る。そして香りのする方へ。

リビングに入ると「はい」とテーブルに置かれた一杯のコーヒー。

コーヒーの香りだった。

私は香りに包まれながら、心が穏やかになり、内なる平和を感じた。

香りが私の心を癒し、やる気を引き出してくれる。

『香りの魔法』

外で嗅いだ花の香りと、目の前のコーヒーの香りが私の体を目覚めさせる。

一日の始まりを力強く迎える準備が整った。

「どうしたの?あなた。ボーっとして」

そうか。妻からはボーっとしているのように見えるのか。

何だかそれが面白く感じた。

「いや。何でもないよ。ありがとう。」

私の顔は自然と笑顔だった。

そして香りの世界に身を委ねるように

目の前のマグカップに口をやる。

マグカップを置き・・・

「よし!みんな!おはよう!」