popoのブログ

超短編(ショートショート)

夢の扉~door to a dream~

「おはよう!」「あれ?なんだか眠そうだね。」

「おはよう」「最近なんだか眠くて、なかなか目が覚めないんだよね。」

「そうか。。。ねえ、夢の扉って話知ってる?」

「夢の扉?知らない。何それ?」

「いつも眠たそうにしてる人がいて、その人が夢を叶える話」

「何それ?よくある物語?」

「ん~。ちょっと違うかな。実際に試すことができるから。やってみよう」

「とてもシンプルで、ただ一つの条件があるんだ。」

「どんな?」

「条件はただ一つ、眠気を感じた時に思いっきり手を叩くことなんだ。」

「それだけでその人は夢が叶ったって話」

「手を叩くだけで?」

「そうだよ。」「今まだ目が覚め切ってないんだよね?」

「じゃあ、思いっきり手を叩いてみて。」

「恥かしいよ~」

「大丈夫俺たちしかここにいないから」

「わかった。いくよ・・・」ぱん。

「違う。もっと思いっきりたたいてみて!」

「こう?」・・・パンッ!!

 

「え!? なにこれ? 魔法がかかったかのように目が覚めたんだけど。」

「どう?良かったでしょう?」

「うん!本当に効果があった!眠気が吹き飛んだよ」

「その人は、毎朝その方法を実践したの。そしたら毎日眠気が吹き飛んで、朝イチから元気に過ごせるようになったんだ。」「それで一日がとても充実して夢だったことが叶ったって話。」

「そうなんだ!すごいね。これなら何だかわかる気がする。」

「俺も何だか、やる気でてきた!」

「それならよかった。ぜひ目覚めの悪い朝は試して続けてみてよ。」

「うん。そうするよ。ありがとう。」

 

夢の扉。

俺はそう呼ぶようにしてる。

いつもただ時間に起きて、いつものように仕事に向かって、何となく一日過ごす。

そんな俺が今では毎日「よし!やるぞ!」って夢のような一日を迎える。

俺の一日は大きく変わった。

「みんなも試してみなよ」

「よしっ!って気合い入れて、手を力いっぱい叩いてみな。何か変わるよ。」