popoのブログ

超短編(ショートショート)

わずかなコントロール

目の前の物を取ろうと思うと俺は手を動かす。

どこか行こうとすれば俺は足を動かす。

幸いなことに俺は自由に動くことができる。

でも俺は心の中に不安を抱える。

大丈夫だって自分に言い聞かせても、その不安は消えることがない。

でも俺は心の中に不満を抱える。

仕方がないって自分に言い聞かせても、その不満は消えることがない。

笑いたくなくても笑ってしまう瞬間がある。

怒りたくなくても怒ってしまう瞬間がある。

落ち込みたくなくても落ち込んでしまう瞬間がある。

そう。俺は自分の感情は意思の通りに動かすことはできない。

やらなきゃってわかっていても、やれなかったり

ダメってわかっていても、やってしまったり。

いつも俺は考える。

無理に気持ちを奮い立たせる。

無理に気持ちを落ち着かせる。

無理に気持ちを前に向ける。

これは正しいことなのか?

残念なことに今の俺にはわからない。

でも、もし感情のまま日常を送っていたら・・・

怒ったらモノにあたり、人を傷つけたり。

落ち込んだら自分を傷つけ、飛び降りたり。

それを世界中のみんなが行ったら。

そう考えると恐ろしくなる。まさにゾンビの世界だ。

さっきも言ったが、感情は意思の通りに動かせない。

だから多少のコントロールをする。

完璧にはできない。でもそれでいい。

自分の少し先。半歩先を考えてコントロールしようとする。

完璧にはできない。でもそれでいい。

怒る気持ちを少し和らげる。明るいことを少し考える。

どうしようもない時には、誰かに話しかける。

それが言葉でも、メッセージでもいい。

そうすることで少し自分が落ち着く。

それも自分なりの感情のコントロールだ。

完璧じゃなくてもいい。そんなもんだ!それでいいんだよ。

 

そして最後に。

体に不自由があっても一生懸命生きている人たちがいることを、俺たちは忘れちゃいけない。