ザアアア。
外は夜中から大雨が降っていた。
私は、何かスピーカーのような声で目を覚ます。
私は起きてすぐTVをつけた。
「緊急速報です。午前9時43分。今から10分ほど前。
新潟県を流れる早川で氾濫がありました。」
私は慌ててNEWSに目をやった。
私が住んでいる地域にも同じ川は流れていた。
スマホで情報を検索する。
え?私の住む地域だった。
慌てて友人に連絡をする。
プルル・・・プルル・・・。
電話に出ない。
慌てておばあちゃんに連絡をする。
プルル・・・プルル・・・。
電話に出ない。
外からはまだスピーカーの声がしていた。
間違いない。この地域で氾濫があったんだ。
カーテンを開けて外を見る。
幸い家の近くには水が来ていない。
私は咄嗟に傘も持たずに家を飛び出した。
近くに住むおばあちゃんが心配だった。
(雨で前が見えない!)
それでも少しうつむきながら懸命に走る。
「ほら!早く非難しな!」
声が耳に入ったが、構うことなく走り続けた。
近くまで水が来ているようだった。
ガラガラッ!!
私は、めいっぱいの力で玄関を開けた。
「おばあちゃん!大丈夫!?」
声がしない。
「おばあちゃん!」
その時だった。
プルル・・・プルル・・・。
ポケットの入った、私のスマホが鳴った。
「よかったあ。やっとつながった。早く体育館おいで。」
おばあちゃんの声だった。
私は安堵と共に、今自分がびしょ濡れになってるのに気付いた。
「おばあちゃん。待ってて。着替えてすぐ行く!」
私はまた自宅へと走り出した。