popoのブログ

超短編(ショートショート)

はじめまして、私。

鏡に映る私は、まるで重荷を背負っているようだった。

背中まで伸びた髪は、ツヤを失い、絡まり、

まるで生き物のように蠢いている。

そして、その重さに、私の心も沈み込んでいく。

 

「もう、うんざりだ。」

 

私は家を出て、美容院に足を踏み入れる。

店内に漂う甘い香り、心地よいBGM。

なんとなく心が落ち着いていく。

 

担当の美容師が髪を丁寧に梳かしながら、

優しく語りかけた。

 

「ずいぶん長い間、伸ばしてきたんですね。

何か新しいこと、始めたいとかありませんか?」

 

私はその言葉にドキッとする。

 

ハサミを入れる瞬間、一瞬だけ、迷いがよぎった。

長い髪は、幼い頃からずっと私の一部だった。

それを失うことは、何か大切なものを失うような気がした。

 

でも、同時に、私は解放感も感じていた。

長い髪を手放すことで、

今までとは違う自分になれるような、

そんな予感がしていた。

 

バサッ、バサッ。

 

ハサミの音が、私の耳によく入ってくる。

そして髪は、床に散らばっていく。

 

数分後、鏡に映る自分を見て、私は目を丸くした。

長い髪はバッサリと切り落とされ、

軽やかなショートヘアになっていた。

 

「わぁ…全然違う!」

 

私は思わず声を弾ませた。

新しい髪型は、顔立ちを明るくし、

活発な私を見せてくれる。

私は、どこか晴れやかで、

自信に満ち溢れていた。

 

「気分も軽くなった気がします!」

 

私は、静かにそう呟いた。

 

私は、店を出て、大きく深呼吸をした。

 

「新しい自分の、第一歩だ。」

 

私はすぐに街に出た。

すると、すれ違う人から、何度も振り返られた。

いや。振り返られた気がしただけかも知れない。

 

短い髪は、私をより自由に、

そして軽やかにした。

 

数日後、私は久しぶりに友人と会った。

 

「あら、髪切ったの?すごく似合ってる!」

 

友人の言葉に、私は嬉しく微笑んだ。

 

「ありがとう。実は、新しい自分になりたくて、

思い切って切ってみたんだ。」

 

友人は、私の目をじっと見つめた。

そして、こう言った。

 

「あなたは、本当に変わったね。

なんか自信が持てるようになったみたい。」

 

その言葉に、私は胸が熱くなった。

 

髪を切ることで、私は外見だけでなく、

内面も大きく変わった。

私は、新しい自分に出会えた。

そう思えた瞬間だった。

 

これから、私はどんな自分に出会えるだろう?

 

どんな未来が待っているのだろう?

 

私は、胸を躍らせながら、未来へと歩き出した。

 

数年後、私は夢だった仕事を手にした。

 

それは、多くの人に影響を与えるような、仕事だった。

 

私は、短い髪をなびかせながら、

自信を持ってステージに立った。

 

そして、こう宣言した。

 

「私は、私の人生を切り開いた。」