popoのブログ

超短編(ショートショート)

幸運な一日

深い闇に包まれていた世界が、

少しずつ明るさを増していく。

それは、まるで新しい一日の

始まりを告げるよう。

 

主人公のあなたは、

そんな朝焼けの中、

静かに目を瞑り呼吸を繰り返していた。

 

今日は、特別な日。

占いや暦によると、

一年で最も幸運を引き寄せやすい

「最強開運日」だという。

 

あなたは、この日の準備をした。

 

「ありがとう」と日頃の感謝を

10人に伝える。

「大丈夫」と自分自身を

10回励ます。

「愛してる」と家族を友達を

そして、あなた自信に言葉をかける。

 

呼吸一つ一つに意識を集中させると、

頭の中がクリアになっていく。

まるで雑念が洗い流されていくような感覚だ。

そして、心の奥底から湧き上がる、高揚感。

それは、きっと今日が素晴らしい一日になる

という確信のようなものだった。

 

新しいことを始めたい、

人間関係をもっと良くしたい、

もっと自分らしく生きたい…。

そんな願いを胸に、

 

新しい出会いがあるかも、

恋を打ち明けられるかも、

素晴らしいことが起きるかも、

そんな希望を胸に、

 

あなたはそっと目を開ける。

 

「さあ。幸運な一日のはじまりだ。」

 

ふと、窓の外に目をやると、

一羽の鳥が力強く空を舞っていた。

その姿に、あなたは勇気をもらう。

 

「私も、あの鳥のように、

自分の可能性を信じて飛び立とう。」

 

そう心に誓い、

あなたは部屋から飛び出した。