popoのブログ

超短編(ショートショート)

働くお父さん

夕焼け空の下、今日も一日お疲れ様。

夕焼けが西の空を茜色に染める頃、

小さな女の子、あかりちゃんは窓の外を見つめていた。

今日はお父さんがいつもより遅く帰ってくる日だ。

あかりちゃんは、大好きなぬいぐるみを抱きしめながら、

今日の出来事を一つ一つ思い出す。

 

「今日はね、お砂場セットを持って公園に行ったんだよ。大きなお山を作って、お花もいっぱい植えたんだ。でも、お水が少なくてお花が元気がないみたいだったの…」

 

あかりちゃんは、大好きなお父さんに

話したいことがたくさんあった。

 

「お父さん、お仕事大変でしょう?いつもお疲れ様。早く帰ってきてね」

 

そう心の中で呟きながら、あかりちゃんは再び窓の外へ視線を向けた。

すると、遠くにヘッドライトの光が見えた。

 

「あっ!お父さんの車だ!」

 

あかりちゃんは、ソファーから飛び降り、

玄関のドアまで駆け出す。

ガチャリとドアが開くと、

そこには汗だくでヘルメットを手にしたお父さんの姿があった。

 

「ただいまー!」

 

「おかえりなさい!」

 

あかりちゃんは、お父さんに飛びつき、ぎゅっと抱きしめられた。

 

「こらこら、あかり。服汚れちゃうぞ。」

 

「ううん。いいの。お父さん。」

 

「あかり、今日は楽しかった?」

 

「うん!砂遊びをしたよ。でも、お花さんが元気がなくて…」

 

あかりちゃんは、今日あったことをお父さんに話す。

 

「そうか、それは残念だったね。明日一緒に水をあげようか」

 

お父さんは、あかりちゃんの頭を優しく撫でた。

 

「お父さん、いつもお仕事お疲れ様。大好きだよ」

 

あかりちゃんは、少しだけ照れながらそう言うと、お父さんは大きく笑った。

 

「ありがとう、あかり。お父さんもあかりが大好きだよ。」

 

その夜、あかりちゃんは、お父さんの腕の中で眠りについた。

窓の外には、満天の星が輝いていた。

 

翌朝、あかりちゃんは、いつもより早く目が覚めた。

今日は家族みんなで公園へ行く予定だ。

 

あかりちゃんは、ぬいぐるみに話しかけた。

 

「今日はお父さんと公園に行くんだよ。お父さんはお砂を綺麗にするお仕事だから、お花さんも喜ぶね」

 

そう言って小走りにあかりちゃんは、

そっとお父さんの部屋に向かった。

 

「お父さん!起きた?」

 

「おはよう、あかり。もう起きたの?」

 

「うん!今日は公園に行くんでしょ?」

 

「そうだね。楽しみだね」

 

お父さんは、あかりを抱き上げ、ベッドから降りる。

 

「お父さんにもう一つお願いがあるんだけど…」

 

「なに?」

 

「あのね、お花さんの花壇をきれいにしたいの」

 

「うん、いいよ!」

 

あかりちゃんは、嬉しそうに笑った。

 

家族みんなで公園へ向かう道中、

あかりはお父さんと手を繋ぎ、色々な話をした。

 

公園に着くと、あかりはお父さんと一緒に花壇へ。

昨日作ったお山をお父さんがスコップできれいにした。

そして、お花に水をたっぷりあげる。

 

「お花さん、元気になったかな?」

 

あかりちゃんは、水をあげた後、花に優しく語りかけた。

 

「うん、きっと元気になるよ」

 

お父さんは、あかりの言葉に微笑んだ。

 

夕暮れ時、家族は再び家路についた。

あかりちゃんは、今日一日のことを思い出しながら、

幸せそうに眠りについた。