彼の指先が私の感覚を研ぎ澄ます。
腰から背中へ移動する彼の指先。
時に激しく首の後ろを引き寄せる。
私はもう夢中になっている。
彼の口から私の口へ。
柔らかく暖かい。
絡み合う。
彼の首元から香る甘い匂い。
彼の匂いだ。
それがまた私を夢中にさせる。
強く抱きしめられたと思ったら
今度は少し離れて、彼の手は私の腰から下へ。
私の下着がスーっとさがる。
今度は内側の太ももを。触れるか触れないかの指先で。
くすぐったい。でも止めないで。
ムズムズする感覚と快楽への期待が興奮を呼ぶ。
いや。やめて。
そんな心にない言葉が。
彼の指が優しく。そして徐々に激しく。
私はもうどうにかなってしまいそう。
目を閉じていても彼の姿が頭に浮かぶ。
彼の顔の位置。彼のやる行動。彼の気持ち。
全てが今、私はわかるようだ。
お願い。ちょうだい。
私はなんて恥ずかしいこと言っているのだろう。
でもその言葉に彼はまた激しさを増す。
そして私も。さらに求める。
どれだけ時間が経ったのだろう。
私と彼は汗を流して互いを求め合う。
今が幸せ。
この時間が。
この瞬間が。
私の全て。
お願い。もっと。もっと。
やめないで。