popoのブログ

超短編(ショートショート)

求める私

彼の指先が私の感覚を研ぎ澄ます。

腰から背中へ移動する彼の指先。

時に激しく首の後ろを引き寄せる。

私はもう夢中になっている。

彼の口から私の口へ。

柔らかく暖かい。

絡み合う。

彼の首元から香る甘い匂い。

彼の匂いだ。

それがまた私を夢中にさせる。

強く抱きしめられたと思ったら

今度は少し離れて、彼の手は私の腰から下へ。

私の下着がスーっとさがる。

今度は内側の太ももを。触れるか触れないかの指先で。

くすぐったい。でも止めないで。

ムズムズする感覚と快楽への期待が興奮を呼ぶ。

いや。やめて。

そんな心にない言葉が。

彼の指が優しく。そして徐々に激しく。

私はもうどうにかなってしまいそう。

目を閉じていても彼の姿が頭に浮かぶ。

彼の顔の位置。彼のやる行動。彼の気持ち。

全てが今、私はわかるようだ。

お願い。ちょうだい。

私はなんて恥ずかしいこと言っているのだろう。

でもその言葉に彼はまた激しさを増す。

そして私も。さらに求める。

どれだけ時間が経ったのだろう。

私と彼は汗を流して互いを求め合う。

今が幸せ。

この時間が。

この瞬間が。

私の全て。

お願い。もっと。もっと。

やめないで。