popoのブログ

超短編(ショートショート)

未来日記

放課後の教室で、掃除当番をしていた私は、

ふと古い机の引き出しの中に奇妙なノートを見つけた。

表紙が古びて破れそうになり、

金色の文字で「未来日記」と書かれていた。

好奇心からページをめくると、

そこには明日起こる出来事が詳細に記されていた。

 

最初は半信半疑だったが、

次の日、日記に書かれていた通り、

学校で火災が発生した。

恐怖に震えながらも、

私は日記に書かれた避難経路に従って

安全な場所へ避難することができた。

 

それからというもの、私は未来日記に翻弄され続けた。

クラスメイトの怪我、先生の入院、家族の危機。

次々と起こる出来事に、私はこの日記が怖くなった。

 

しかし、ある日、日記に書かれた内容が

私の行動によって変化していることに気づく。

日記は未来を予言するものではなく、

未来を創造するものだった。

 

そして、日記の最後のページには、

衝撃的な事実が書かれていた。

未来日記を書いたのは、私の娘というのだ。

 

そして、その未来の娘からの日記には、

私が直面する様々な困難と、

それを乗り越えるためのヒントが書かれていた。

 

最後に、娘は私にこう訴えていた。

 

「ママ、どうか未来を変えてください。

私が生まれた世界は、戦争と飢餓で荒廃しています。

ママの行動が、未来を変える唯一の希望です。」

 

私は娘の言葉に励まされ、決意した。

未来日記を使って、娘が生まれた世界よりも、

より良い未来を創造するのだ。と。

 

私は日記に書かれた出来事を参考に、

災害を未然に防ぎ、人々の命を救った。

そして、未来を変えるために、様々な活動に取り組んだ。

 

長い年月をかけて、私たちは娘が生まれた世界とは全く違う、

平和で豊かな世界を創り出すことに成功した。

 

すると日記に1ページが追加された。

 

「ママ、ありがとう。

ママたちが未来を変えてくれたおかげで、

私はこんなにも幸せな人生を送ることができています。」