popoのブログ

超短編(ショートショート)

記念日

「あの公園に噴水があるみたいだよ。」

「それにバラ園もあるんだって。」

「行ってみたいなあ。」

 

そんな会話が始まりだった。

 

私と彼は、公園でピクニックを楽しむために、

朝から手作りの弁当を用意していた。

私はいつもより彩り鮮やかなサラダを作り、

彼は唐揚げなどのおかずを用意する。

 

私は、シャキシャキとレタスを刻み、

トマトを彩りよく並べ、ドレッシングをかける。

 

ふと、冷蔵庫の隅に眠っていた、

小さなアボカドを思い出した。

まだ熟していない様子だったが、

思い切って半分に切って種を取り除き、

フォークで潰してサラダに加えた。

 

よし!完成。

 

私たちは、準備をして家を出る。

 

公園に着くと、私たちは

木陰にシートを広げ、弁当を取り出した。

 

私はちょっと不安ながらも、

サラダをひとくち食べる。

 

サラダは、いつものサラダとは少し違う、

爽やかな風味と滑らかな食感が特徴的だった。

 

「このサラダ、すごく美味しい!

今まで食べた中で一番だよ!」と笑顔で話す彼。

 

私は照れながらも、「ありがとう!」と答える。

 

私たちは青空の下、

美味しい弁当を食べながら、

楽しい時間を過ごした。

 

帰り道、彼はこんなことを言う。

 

「ピクニックなんて小学校以来だよ。

 ちょっと暑かったけど、楽しかったね。」

 

「それに今日のサラダは特に美味しかったよ。」

 

「楽しい思い出をありがとう。」

 

「今日と言う日を忘れないために、

 ふたりの記念日にしよう。」

 

その日以来、七月六日は私たちの

「サラダ記念日」となった。