「ぼくのお父さんは土木作業員です。」
この町に住む良太。彼の父親は現場で働いている。
朝は早く、良太の目覚ましは
父親の玄関の扉が閉まる音。
泥まみれの服で帰ってくる父は汗くさい。
ある日、良太は学校の授業で町の歴史を調べることになった。
町の発展と変化。不思議と発見が見つかる。
良太は母の言葉を思い出す。
「良太。この道はお父さんが作ったのよ。」
今まで忘れていた母との会話。
(ここだ!この道だ!)
保護者を招いて、学校での研究発表会。
順番にみんな発表していく。
「町の30年」「裏山の秘密」「川と橋」「盛んだった繊維業」
様々なテーマで発表していく。
そして良太の順番に。
テーマは“お父さん”だった。
「ぼくのお父さんは土木作業員です。
雨の日も、風が強い日も、寒い日も
お父さんは一生懸命作業します。
体調が悪い日だってあります。
それでもお父さんは一生懸命作業します。
それは自分のためではなく、町のみんなのため。
よくお父さんはこう言います。
良太。この道が出来たらみんなが楽になる。
この道が出来たらみんなが安全になる。
いつもみんなことでいっぱいです。
ぼくは今回の調査でたくさん町の人と話をしました。
ぼくは今回の調査で町の発展を知りました。
この道のおかげで生活が楽になった。
この道のおかげで商売がしやすくなった。
こう言われました。
お父さんの作った道はただの道路じゃなくて
人と人。町と町を繋ぐ大切な道だと思いました。
ぼくはお父さんを尊敬します!」
良太の言葉にたくさんの拍手が送られた。