popoのブログ

超短編(ショートショート)

ショートショート

青春七五三

13歳の健太、15歳の裕太、17歳の翔太。 三兄弟は今日も元気に過ごしていた。 しかし、今日は少しいつもと違う。 両親が仕事で夜遅くまで帰らないというのだ。 夕日が沈み始め、辺りが薄暗くなってきた頃、 翔太は台所に立っていた。 夕食の準備をするのは初…

希望の灯火

平和と繁栄に満ちていた世界は、 突如現れた「悪魔の病」と呼ばれる恐ろしい病によって、 深い闇に包まれてしまった。 この病にかかった者は、突如狂乱状態に陥り、 周囲の人を攻撃し始めるという。 その姿はまるで悪魔に取り憑かれたかのようだった。 病の…

愛犬

雨上がりの公園で、小さな女の子は愛犬のココと遊んでいた。 ココはゴールデンレトリバーの子犬で、 ふわふわの毛並みとつぶらな瞳が愛らしい。 彼女とココはいつも一緒だ。 公園で駆け回ったり、ボール遊びをしたり、 時にはただ寄り添って日向ぼっこをする…

看護の礎

乱世の今、 ここは戦場の真っ只中だった。 負傷兵があふれ、 劣悪な衛生環境で 多くの命が失われていた。 「誰か助けは来ないのか!」 そんな言葉は届かない。 そう思っていた。 そんな絶望的な状況の中 一人の女性が現れる。 幼い頃から病弱な人々を助けた…

ファイト!

体も心も疲れた毎日を送る私。 今日は何もない、久しぶりの休養日。 のはずだった。 「明日は来れる?」と母からの連絡。 一人暮らしをする際に、 「毎月一度は顔出すね。」 そう言って家を出た私は、 連絡が来ると行かなきゃ。という気持ちになる。 「わか…

ママとパパ

私はママと久しぶりにお出かけをした。 その道中の車の中。 私はふとママに質問をした。 「ねぇ、ママ。なんでパパと付き合ったの?」 私もなぜその質問をしたのか覚えていない。 ふとでた言葉だった。 「なによ、突然。」 そう言われると気になった。 「ね…

魔法の飲み物

炎天下、外回りで汗だくになって ようやくたどり着いた駅。 喉はカラカラ、頭の中はボーッとしっぱなし。 そんな状態でふと目に入ったのが、自販機だった。 普段は炭酸飲料をほとんど飲まない私だけど、 その時はなぜか体がコカ・コーラを求めていた。 懐か…

うまい!

いたずらっぽい笑みを浮かべながら 今日、俺はキッチンに立つ。 にぎやかな東京の中心部から、ちょっと離れたアパート。 そこで俺は一人暮らしをしている。 慌ただしい都心での生活。 そんな時間から自分だけの時間に入る。 たこ焼き粉、キャベツ、卵、天か…

今日だけの解禁

ねえねえ、みんな! 今日だけはダイエット解禁しよ! 今日だけは解禁しちゃいませんか? 毎日頑張っているダイエット。 糖質制限、カロリー計算、運動... 「意外とストレス溜まってるかも? 」 「そうだよ。たまには自分を甘やかしてあげないと」 「心も体も…

空飛ぶヒーロー

青空に悠々と泳ぐ鯉のぼり。 その鯉のぼりを見上げる小さな息子は5歳になった。 息子は、鯉のぼりが大好き。 風に揺れる姿に、 まるで空を飛んでいるヒーロー だと感じているようだ。 こどもの日の今日に、 私たちは息子にサプライズを用意した。 それは、嫁…

堤防の二人

俺たちは幼い頃から仲良しだった。 二人で毎日、学校の行き帰りに 一緒に近くの堤防を歩いていた。 俺(陽太)はお調子者で明るく元気な男子で、 いつも俺の隣で歩く彼女は優しい女子で、 俺の面倒を見てくれたり、本物の兄妹のようだった。 俺たちはよく、…

リカちゃん

陽だまりの差し込む窓辺、 少女時代の思い出が詰まったおもちゃ箱を そっと開ける。 そこには、色褪せながらも大切に保管された リカちゃん人形が眠っていた。 無数の洋服や小道具。 幼い頃、夢中で遊んだ宝物たち。 毎日一緒に遊んだリカちゃん。 着せ替え…

朝焼けの海

静寂に包まれた海面が、 少しずつオレンジ色に染まっていく。 まだ誰もいない浜辺に、私は一人で立っていた。 私は、マグロ漁師である父を待っていた。 父は毎年、この時期になると数週間かけて漁に出る。 私は、幼い頃から父の出航を見送り、 そして、帰り…

甘い予感

路地裏に、ひっそりと佇むカフェ「ひだまり」。 俺はバイト生活を送る。 今日も慣れたようにエスプレッソマシンを操り、 カウンター越しに笑顔を振りまいていた。 そんなある日、いつものように開店準備を始めた俺の目に、 今まで見たことのない女性が飛び込…

私の居場所

あれはまだ、私が10歳の頃だった。 母親に連れられて初めて図書館を訪れた。 そこで何気なく手にした一冊の本。 表紙は色鮮やかな絵だった。 それが、私がその本を手に取った理由。 物語を読み進めると、それは優しい物語だった。 主人公の少女は一匹の猫…

たくさんの愛情と共に

湯船から上がり、 真っ赤なお顔をほころばせる赤ちゃん。 小さな体は、まるで摘みたての桃のように ぷるぷると震えている。 そっと抱き上げ、ふわふわのタオルに包み込むと、 赤ちゃんは安心したように目を細める。 タオルは毎日の洗濯で柔軟剤の優しい香り…

青春と希望の街

活気に満ちた若者と 流行の最先端をいく街。 IT企業も集まり、情報の発信源になっている。 東京の真ん中、渋谷。 私は久しぶりにこの街に来た。 かつては私も夢をみた。 悔しさと喜びをこの街で味わった。 上手くいかない人生を、 たくさんの人ごみの中で孤…

休みの幕が開ける時

さあ、準備はいいか? ゴールデンウィーク、いよいよその幕開けだ。 日々の喧騒から離れ、自分自身と向き合う時間。 未知なる世界へ、旅に出よう。 心の奥底に眠っていた夢を掘り起こし、 新たな可能性を解き放とう。 大切な人たちと笑い合い、語り合い、 か…

善意が生んだ悪意

彼は、ごく平凡なサラリーマンだった。 安月給で贅沢もできない。 そんなある日、彼は帰宅途中、 公園のベンチに腰掛けた。 「はあ。今日も疲れたな。」 と缶コーヒーを一本飲む。 ガサッ。 足元で音がした。 彼はベンチの下を覗き込んだ。 するとそこには、…

青年と競走馬

北海道の広大な牧場で、 一頭の黒鹿毛の競走馬が誕生した。 力強くしなやかな体つきと、燃えるような瞳 生まれながらに特別な存在感を放つその馬は、 「疾風」と名付けられた。 一方、東京で暮らす翔太は、 幼い頃から馬に夢中だった。 しかし、貧しい家庭で…

ねぇ。

「ただの気まぐれだったから」 彼女との別れは突然訪れた。 あれは飲み会の帰りだった。 「ねえ?まだ一緒に飲もう?」 俺はその時から恋に落ちた。 「ねえ?今日お家行っていい?」 「ねえ?この映画観に行こ?」 「こら。寝すぎだぞ。」 「美味しいね。は…

小さな村

小さな漁村。 美しい海と山に囲まれたこの村は、 昔から漁業で栄えてきた。 しかし近年、海の環境悪化により、 漁獲量も減少し、村の人々の生活も苦しくなっていた。 少年は、今日も海辺で遊んでいた。 海を見つめながら、おじいちゃんから聞いた話を思い出…

商店街の入り口

穏やかな陽射しが降り注ぐ、 とある商店街に隣接する公園。 木々の葉が風に揺れ、木漏れ日が地面に踊る。 公園の一角には、大きな木が枝を広げており、 その木に、動物のぬいぐるみがかけられていた。 そのぬいぐるみは、茶色いクマで、 首には赤いリボンが…

オルゴール

4月の終わり、町の外れにある一軒家。 夜風が激しく窓を叩きつけ、バンバンと音を立てる。 部屋の中は、古いオルゴールの音が 不気味に響き渡っていた。 そこに住むのは、1人暮らしの老女。 老女は、夫を亡くして以来、 ずっとこの家で孤独な生活を送ってい…

きゅうり農家の一日

朝日が昇る前に、 きゅうり農家の田中さんはすでに起きていた。 田中さんは、畑に出て、きゅうりの様子をチェックする。 きゅうりは、朝晩の涼しい時間帯に成長するため、 田中さんは早起きして水やりや雑草取りを行う。 奥さんは、朝食の準備。 朝食は、ご…

お香の香りに誘われて

雨上がりの静寂を破るように、 ほのかにお香の香りが漂ってきた。 思わず鼻をくすぐられ、 その香りに導かれるように古民家の中に入った。 土間の土の香りと、 木造の梁や柱が醸し出す温もりある空間。 窓からは緑豊かな庭が見え、 心が洗われるような景色が…

おじいちゃんの店

小さな商店を営む実家。 俺はおじいちゃんの作る五平餅の香ばしい匂いに包まれて育った。 店の奥にある囲炉裏端で、炭火でじっくり焼かれる餅に、 甘辛いタレが絡み、「ジュッ」と音を立てる。 学生のお客がやって来た。 「おじいちゃん!一本お願いします。…

私の挑戦

42.195キロ。 長い、長い道のり。 初めてのフルマラソンに挑む私は、 スタートラインに立ち尽くしていた。 周りのランナーたちは皆、 自信に満ち溢れているように見える。 私は、不安でいっぱいだった。 ランニングを始めたのは、1年前のことだった。 運動不…

永久欠番

「永久欠番」 優れた功績を残した競技者の栄誉として、 その人の使った背番号を、 永久に他の人が使わないようにすること。 とても名誉なことである。 ある時、 スポーツの世界に新しい仲間が加わった。 しかし彼だけが肌の色が違った。 周囲は暴力的なプレ…

思い出の喫茶店

「幼い頃、おばあちゃんの家に行くと 必ず行く場所がありました。 それは近所の喫茶店。 そして私はいつもホットケーキを食べました。」 おばあちゃんと通った喫茶店。 きっと特別な場所だったのでしょう。 幼い頃の思い出は、 案外、大人になっても鮮明に覚…